みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

英略語

最近新聞を読んでいて、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング・サービス、電動化)やD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、BLM(黒人の命は大切だ)、AI(人工知能)といった英略語が増えてきたと感じる。(もちろん、圧倒的に多いのは「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」だがw)

 

とかく、金融にも英語数文字の略語が多く出てくる。

私の携わっていた金融商品に関わるものでは、ETF(上場投資信託)、ETN(上場投資証券)、CW(カバードワラント)、RO(ライツオファリング)、CB(転換社債)、AM(運用会社)、AP(指定取引参加者)、MM(値付け業者)、HFT(高速取引業者)、CDS(クレジットデフォルトスワップ)、YCC(イールドカーブコントロール)、FUT(先物)、OPT(オプション)、ESG(環境・社会・企業統治)、SDGs(持続可能な開発目標)などあり、例を挙げればきりがない。

 

これら略語は、前提知識のある専門家同士で話し合いをするときにはとても使い勝手が良い。日本語など長くて舌を噛みそうなものが多いし、時間の節約もできる。ただ問題なのは、自分が知らない単語が出てきたときにわかった気になってしまうことだ。そしてまたそれを、あろうことか顧客に説明するとき(例えば、ホームページなどにおける商品説明)に使ってしまう。思えば、自分がよかれと思って使っていた英略語の中には世の中にまだ浸透していなかったものも多く含まれていたかもしれない。顧客にとってはいい迷惑だっただろう。中には英略語にたじろぎ、理解するのをあきらめてしまった人もいたかもしれない。

 

説明を受け取る側の立場を置き去りに、金融商品を身近に感じて欲しいと思うがあまり英略語を多用していたかもしれないと反省した。料理と同じで、いきなりメインディッシュを出すのではなく、まずはお腹に優しい前菜から始めなくては。