本日1日、中国期貨業協会(CFA)より2020年11月の中国5大取引所(上海、大連、鄭州、CFFEX、INE)のデリバティブ取引高(確定版)が公表された。大型連休(国慶節+中秋節)のあった10月から持ち直し、過去最高水準で推移。
- 2020年11月における中国5大取引所のデリバティブ総取引高は前月比35.1%増の6億4,050万1,544枚、同デリバティブ総約定代金(想定元本ベース)は同40.21%増の46万4,900億人民元となった。取引所別の内訳等の詳細については、下【グラフ】を参照。
- また、本年1月~11月までの中国5大取引所のデリバティブ累計取引高は前年同期比50.45%増の約53億7,995万枚、デリバティブ累計約定代金(同上)は同45.57%増の382万4,500億人民元となった。
<グラフ:中国5大取引所のデリバティブ取引高推移(~2020年11月)>
- 新規上場商品 ‐
併せて、11月19日に上海国際エネルギー取引所(INE)が人民元建ての銅先物取引をローンチしているので、ここで概観する。
- INEは国際的な価格決定権の確立を狙い、人民元建ての銅先物取引を上場。同社の親会社・上海先物取引所(ShFE)も銅先物取引を上場しているが海外投資家のアクセスが制限されていたため、本商品は当該制限を緩和して海外投資家に広く門戸を開放した。スペック等の詳細は下の【表・グラフ】を参照。
- 銅先物の国際指標としては香港取引所(HKEX)傘下の英ロンドン金属取引所(LME)があり、本商品が今後どれほどの流動性及び価格の透明性を確保できるかが課題。いずれにしても卑金属の価格決定権の大部分を中華系資本が握ることで今後のパワーバランスに大きな変化が起きることが見込まれるため、我が国としても早急に何らかの対策(スポット市場の活用やTOCOM・CME等の代替手段の確保)を打つ必要があろう。
出典)CFA及びINEウェブサイトに掲載されたデータをもとに、筆者にて作成
参照)中国期貨業協会ウェブサイト