先月に国際取引所連盟(WFE)よりコモディティ・デリバティブ取引に関するレポートが発表されていたので、ここで概観する。
注1)WFEと米国先物業協会(FIA)の参加取引所が異なるため、データに相違がある旨を予めご了承ください。
注2)ここにいうコモディティとは、「農産物」、「エネルギー(排出権取引も含む。)」、「卑金属・貴金属」、「商品指数(指数バスケット型など)」、および上記に含まれない「その他」によって構成される。
- 2020年通年のコモディティ・デリバティブの総取引高は、前年比35.3%増となる93億枚(うち先物取引は同35.7%増の89億枚(総取引高の96%)、オプション取引は同26.2%増の3億枚(同4%))。
- 地域別でみると、北米が同0.4%増に止まったのに対して、アジア太平洋地域(APAC)は同48.3%増、欧州極東地域(EMEA)は同24.7%増と大幅増に。
- 下図を見ると、先物取引に係るシェアはAPACが69%と北米12%・EMEA19%を凌駕。特に増加が目立ったAPACの取引所は大連商品取引所(前年比62%増)、上海先物取引所(同49%増)および鄭州商品取引所(同54%増)とすべて中国本土の取引所。
- パンデミックとなった2020年3月は前月比50%となり、米欧ではその後元の水準に落ち着いているが、APACはその後も取引高を伸ばしている点が注目に値する。
- オプション取引に係るシェアは北米49%・APAC32%・EMEA19%であるが、先物取引と比べると取引高は小さいため詳細については割愛。
WFEウェブサイト