みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

生きた言葉

世界における新型コロナウイルスの感染者数は600万人超、死者数は37万人超。

日々増えていく数字を見ながら、幼いころの湾岸戦争を思い出した。ニュースの中で出てくる言葉は多国籍軍の死者・負傷者数で、それが人の命のカウント数だと理解したのはだいぶ後になってのことだった。自分のこととは思えず、決して減ることのない数字をただ毎日眺めていた。

 

目下、コロナ対策に追われる各国の指導者でこの一見するとただの数字でしかないものに意味を与えてくれた人がいるので、この場を借りてご紹介したい。

”These are not just abstract numbers in statistics, but this is about a father or grandfather, a mother or grandmother, a partner – this is about people. And we are a community in which each life and each person counts.”

「これは統計の抽象的な数字だけの話ではありません。お父さんであり、おじいさんであり、お母さんであり、おばあさんであり、パートナーであり、要するに生きた人たちの話です。そして私たちは、どの命も、どの人も重要とする共同体です。」by アンゲラ・メルケル独首相(2020年3月18日の演説

 

政治屋(Politician)か政治家(Statesman)かと言われることがあるが、適切な時に適切な言葉で自国民を鼓舞できる彼女こそは政治家に他ならない。毎度記者会見でプロンプター(※)を使う人物を見て、ドイツ国民をうらやましく思った。

※ 原稿や歌詞などを表示し、読み手や演者を補助するための装置・システムをいう。