みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

「遊び」のススメ

不思議なもので、記事を書こうと思うとアイデアが浮かばずなかなか筆が進まない。

これは仕事をしていても同じで、ずーっと一つの資料にかかりっきりになっていると作業は行き詰まる(ひどいときには「ゲシュタルト崩壊(※)」を起こす)。進まなくてイライラする気持ちを静めるために公園を散歩したり、缶コーヒーを買って一息ついているとなぜかポッとアイデアが浮かんでくることがある。そうなれば占めたもの、あとは流れに我が身をゆだねるだけだ。

※ 例えば、同じ漢字を長期間見ていると漢字の各部分がばらばらに見え、その漢字が何という文字だったかがわからなくなる現象。

 

昔、自動車教習所でアクセルとブレーキの「遊び(=踏んでもすぐには作動しない部分)」について教えてもらったことを思い出した。遊びのある車と遊びの少ない車に乗せてもらって、両者の違いを体感するというものだ。当時はなぜ教官が生徒にそんなことをさせるかわからなかったし、遊びなどできればない方がいいに決まってると単純に思っていた。

しかし、車のアクセルとブレーキには遊びは必要なのだ。遊びが少ない車は踏むたびにガクガク上下してとても人が乗っていられる代物ではない(これは雪国では致命的で、ほぼ間違いなくスリップする)。いわゆるデジタル思考で、「0」か「1」かのどちらかしかなく、その中間がないのだ。止まるか、走るか。反対に遊びのある車は、ゆるやかに走り出して流れるように止まる。「0」と「1」の間に曖昧な境界を入れるだけで、同じ車なのにまったく違う動きをするのだ。

 

長い人生、ずーっとアクセルを踏みっぱなしにしていると目の前に障害物が出てきたときに(遊びのない)急ブレーキを踏んでしまうこともある。車と同様、適度な遊び心を持つことが大事なのではないか。