昨晩ベッドに入ると、「プーン、プーーン」と耳障りな羽音が部屋に響く。
夏の夜長の望まれざる闖入者、蚊。彼らはなぜか、私の小指と薬指の間や首筋の後ろといった掻きにくい場所を狙って刺すのだからタチが悪い。豆電気を点けて彼らの様子を窺ってみるも、隠れたのか姿は見えず。仕方がないので、仕舞っておいた蚊取り線香を取り出す。
渦巻型のそれは、見れば見るほど不思議な形状だ。鼻を近づけてみると、あの懐かしい香りがふんわりと香る。これで蚊が撃退できるというのだからますます以って凄い。最近は匂いや煙の出ないタイプがあるというが、「あー、効いてるな。きっと蚊も苦しんでるな」って感じがするので、私は専ら古いタイプを愛用中。
コロナ禍の”新しい生活様式”とやらもあって部屋の換気が励行されているので、我が家では今夏は蚊取り線香が大活躍すること請け合いだ。平成から令和になってもなお夏の必需品としての地位を守っている渦巻型のそれに感謝し、眠りについた。
