先日、ETF専門リサーチ・コンサル会社の英ETFGIより2020年末時点のグローバルにおけるESG(Environment, Social and Governance;環境、社会、及びガバナンス)関連ETF・ETP市場の概況が発表された。近年のSDGs(Sustainable Development Goals;国連が定める「持続可能な開発目標」)の認知度の急速な高まりと相まって、今後ますますの市場拡大が見込まれる。
- 2020年末時点のグローバルにおけるESG関連ETF・ETPのAUM(Asset Under Management;純資産総額)は、前年比206%増の約1,870億ドル(約19兆5,000億円)。12月中の純資産流入額は18.46十億米ドル、2020年通年では88.95十億米ドルとなり、2019年の合計である27.79十億米ドルを大きく上回った。内訳等の詳細については、【下グラフ】を参照。
- 2020年12月資金流入額上位20本のETFの中に、本邦籍ETFはなし(ただし、英上場の「Xtrackers MSCI Japan ESG UCITS ETF」が19位にランクイン)。
- 2020年末時点のグローバルにおけるESG関連ETF・ETPの上場本数は497本(他市場への重複上場等を含めると1,452本)、ESG関連ETF・ETPの設定・運用を行うアセットマネジメント会社は113社、29か国・35取引所に上場している。
- グローバルにおけるESG関連ETF・ETPのAUMの53%、本数の47%は、環境問題への取組みが熱心な欧州地域のもの。
<グラフ:グローバルESG関連ETF・ETP市場の概況(2020年末)>
出典)ETFGIウェブサイトに掲載されたデータをもとに、筆者にて作成・一部加工。なお、ETP(Exchange Traded Product)はETF(Exchange Traded Fund;上場投資信託)に、ETN(Exchange Traded Note)やETC(Exchange Traded Commodity)、ETV(Exchange Traded Vehicle)等の亜流を加えた総称。ETFよりも概念が広い。
参照)ETFGIウェブサイト