異例、異次元と来たら、次は何か。
昨今巷ではやっているものに、「異世界もの」というジャンルがある。これは、主人公が現実世界で何らかの理由で死を迎えた後、アナザー(若しくはパラレル)ワールドたる異世界にて生を受け、活躍していくというものだ。なかなかにおいて、面白い。
さて、「異例」・「異次元」たる用語が大好きなのが日銀(BOJ)である。
白川総裁の治世(2010年)に世界の中銀に先駆けて異例とも言える上場投資信託(ETF)の市場での買入れを始めたと思えば、黒田総裁になってからはETFの買入れ額を増額するに止まらず、「マイナス金利」という異次元の領域とも言える質的・量的緩和政策を導入し、更にはそれの深堀すら検討されているのが現状である。
今となっては、米連邦準備制度(FRB)・欧州中央銀行(ECB)もBOJに倣った金融政策をとり始めていることからすれば、皮肉にもBOJには先見の明があったと言えるのだろうか。
だが、黒田総裁のピーターパン発言から数年、もはやオオカミ少年化したBOJに残されたカードは少ない。異例、異次元の次は、異世界転生して「二つ名:デフレ・ファイター(自称)、呪い:プラス金利への転換不可」などといったステータス異常が起きなければいいのだが。