みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

投資の羅針盤②

前回、「貯蓄から投資へ」の流れにあっては投資の羅針盤を示すべきと書いたが、私なりに十数年金融業界に勤めて見つけた心得なるものがあるので、備忘録的に書いておこうと思う。

 

なお、私は資産運用としての個別株式(※)はやっておらず、リスク分散として多数の株式・債券に投資する投資信託が最適と考えるため、以下は投資信託についてのものとなることを予めお断りしておく。

※ 株主優待目当てに投資する方もいるが、私はその分を配当に回すべきと考える。また、ストックオプションや自社株買いも自分の会社と運命を共にすることとなるのでリスクが大きい。

 

私なりの投資に当たっての心得とは、

  1. 純資産が100億円以上あること
  2. ノーロード(販売手数料なし)型であること
  3. インデックス連動型であること
  4. トラックレコード(過去運用実績)が5年以上あること
  5. 分配再投資型であること

の5点である。それぞれ、私の考えを記していく。

 

先ず純資産であるが、これは投資信託自体の人気を示すバロメーターであると言ってよい。ファンドによっては100億円未満で優れたパフォーマンスを出しているところもあるが、これが小さいと機動的な銘柄入れ替えなどが行えずパフォーマンスが次第に低下し、最終的には期限前償還となってしまうおそれがあることから入れている。4点目のトラックレコードについても同様で、これがないとファンドがどんな時にどんな動きをするのかが読めず、可否を判断しづらい(まさか、自分が付き合う相手の趣味・趣向を知らず告白しようとする人はいないだろう。)。

また、ノーロードは意外に知られていないことだが、非常に大事なことである。購入時に仮に1%の手数料を取られるとしたら、スタート時からハンデ(例.10メートル後ろ)があるも同然である。勿論、ハンデなどないに越したことはない。今はノーロードが主の直販型投信や大手運用会社でも取扱いが増えていることから、是非気を付けて見てほしい。

続いてインデックス連動型であるが、これはアクティブ型との対比である。アクティブ型(テーマ型と言われることもある)とは、ファンドマネージャーが企業分析等を通じて市場平均を超えるパフォーマンスを目指すものであるため、購入に先立ってファンドの性格をよく理解する必要がある。これに対してインデックス連動型は日経平均株価東証株価指数TOPIX)といった市場平均への連動を目指すべく機械的ポートフォリオを構築するものであり、投資初心者にも比較的わかりやすい。

最後に、分配再投資型であるが、これは最大限に複利効果を享受するためであり、一番やっていけないのは毎月分配型を選択することに他ならない。

 

以上の5点をすべて満たすのが望ましいものの、自分がどうしてもこの投資信託が買いたいと思うのであれば、買った時のリスクとリターンを比較衡量のうえ、後者が大きければ買えばよいのである。(私は上記5つに加え、6つ目に信託報酬1%未満であることをサブ基準として入れている)

これらが、皆様が投資信託を選ぶ際の一助になれば幸いである。