エキナカが再開し、入店制限はありながらも本屋が戻ってきた。休業期間に発売された書籍を並べた特設コーナーもあり、人々は距離を保って集まっている。
私は新刊や文庫本を当てもなく眺めるのが好きだ。世の中には効率的な本の読み方・時短勉強術などの指南本が溢れ、本屋（含む古本屋）へは買うものを決めてから行くべきとか説く人もいるが、私は敢えてそれをしない。効率化を突き詰めると、自分に都合の良いような情報しか入ってこない（基準から外れるものは捨象される）と分かったからだ。情報の偏りは認知・理解の偏りとなり、ひいては物事の考え方・進め方に影響する。
棚に並べられた本のジャケットや背表紙を眺めているだけでも、色々な情報が入ってくる。それらを見て、「あっ、これ面白そう」とか「何だろう？」とか思ったものを手に取ってパラパラと読む。打率は低いものの、その中でも気に入った何割かの本はお買い上げとなる（先日のシャーロックホームズ全集もこうして見つけた）。正に、行き当たりばったりである。
思い通りにいかないのも、また人生。これまでも思わぬところで出会った本、人から多くのことを学んだ。
