みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

ばあちゃんの教え

高校時代、母方の祖母と暮らすことになった。

大正生まれで77歳まで青果店を営み、ほぼ女手一つで一男三女を育て上げた。余生を一人ゆっくり過ごそうとしていたところに、家庭の事情から食べ盛りの男子高校生2人(私と弟)の面倒を見る羽目になったのだ。家事が苦手だった祖母は、それこそ必死になって弁当作りや朝晩のご飯を作ってくれた。受験勉強やら日々の学校行事などに追われ、ボケる暇すらない。

 

大学・大学院生、社会人になって実家に帰ると、早くに家を出た私はできるだけ祖母と一緒にいようと努め、時間があれば居間のテーブルで話していた(最長記録は9時間w)。戦時中の話、お店をしているときの話、お店を閉めるときの話などと、脈絡もない話が延々と続いた。学校での勉強よりも、私は祖母との会話からいろいろな人生訓を学んだ。苦労したためか、お金に関する教えが多かった。

 「ドカ儲けすると、ドカ損をする」

 「お金とホコリ、ためればためるほど汚くなる」

ともに適正な利益・財産(があること)を言い表したものだが、金融業界に勤める私は折に触れてこの言葉を思い出す。

 

早いもので、大好きだった祖母が亡くなって7年が経つ(当時は実感がなさ過ぎて、通夜・葬式では涙が出なかった)。今でも街なかで小さな青果店があると、そこにふと祖母の姿を見てしまう。