真空パックののど飴は暑さと湿気で一体化し、排水溝からは謎の羽虫が飛び出てくる季節になった。梅雨、初夏である。
久々に手がすいたので、恩師や友人などへ暑中見舞いを書いてみようかなと思い、近くの郵便局へ。行ってみれば、あるわあるわ暑中見舞いの葉書の数々。アニメのキャラクターものから有名な画家のもの、シンプルなもの、どれにしようかしばし迷う。あて名はやっぱり筆だよなと勝手に思い、最寄りの百円ショップで筆ペンを購入。いざ書こうと思えば、時候の挨拶を書いたところで筆が止まってしまう。葉書の少ないスペース(しかも下半分!)で相手のことも思いやりつつ自分の近況も伝える、これって案外難しいのだ。送り手それぞれに合わせた言葉を考えていたら、知らない間に時間が過ぎていた。最後に切手を貼って、ポストに投函。
「暑中見舞いなんて久々だから、皆どんな顔をして呼んでくれるかなー」とワクワクしながら、家路に着いたのでした。