立場上、「株をやってみたいけど上場投資信託(ETF)って、何?」と聞かれる。
よくある回答としては、「株と同様に売買できる上場している投資信託」というものだが、これだと説明しているようでしていない。私は「ETFとは料理のミールキットだ」というのがビギナーの方にも理解しやすいのではないかと思っている。
ミールキットとは、例えば麻婆豆腐を作ろうとした際に豆腐からひき肉、ソースまで全部詰め込まれたお料理セット【参照:上写真、Oisix🄬】のことである。付属のレシピを見てやれば、(余程料理音痴でない限り)誰でも美味しく麻婆豆腐ができる優れモノだ(←今はコロナによる巣ごもり消費で家で手軽にできるミールキットの人気が高まっているらしい。)。麻婆豆腐を日経平均や東証株価指数(=TOPIX)とするならば、豆腐やひき肉は株価指数を構成するトヨタ自動車株式やソニー株式といった個別株式に当たる。
実は、個人で日経平均やTOPIXに連動するようなものを作ろうとすればできなくはない。いわゆる、それら株価指数の構成比率と同様に個別株式をマーケットで購入すれば複製可能である。ただ、これは個人でやるのにはかなり面倒だし、途方もないお金がかかる(特に日経平均やTOPIXは構成銘柄が多いので1ロットあたり数億円~数十億円かかる)ので現実的ではない。餅は餅屋、できることは専門家に任せましょということで、できたのが運用会社がまとめて買ってきた株式バスケットを小口化したもの(=受益証券たるETF)を投資家に広く配るというもの。いくら多く買えば単価が安いからといっても、豆腐やひき肉を一人で何キロも食べられないので。そうしてできた日経平均やTOPIXに連動するETFが、東証や名証に上場することで株式と同じように売買できるようになるわけである。
実はこのETFという金融商品、歴史は古くてグローバル第1号は1990年にカナダのトロント証券取引所に上場したもの(”TIPS 35”)だそう。今年でデビュー30周年のETF、Google先生によれば歌手・俳優の福山雅治さんとデビューが同い年。少し親近感がわいて、ETFに投資してみたくならないだろうか?