登山と一口に言っても、電車や宿の手配に始まり、目的地までの運転、買い出し（山頂で食べるご飯や飲み水等の確保）、当日の登山ルートの確認、装備品の整備・確認、登山届の提出、帰り道で入る温泉のリサーチ（←これは個人的なこだわりｗ）などなど事前にやることは数多い。その分家で過ごしていれば余計な時間、労力とお金がかからないのと比較すれば、かなり手間である。
ただ、学生時代のサークルや学園祭のように本番よりもその準備作業をしているときが何とも言えずいいのである。どの電車や宿にしようかとか、ドライブにかけるCDを選んだり、どのおにぎりや飲み物にしようかとか、考えるだけでウキウキしてくる。無駄なことと言ってしまえばそれまでだが、無駄が一切ないものはどこか物足りない。寧ろ無駄から学ぶものこそ本質的だったりする。車のブレーキに「遊び」があるのと同じ。デジタルでは「0」か「1」の二択だが、マニュアルである私たち人間には2つだけでなく「0.01」も「0.5」も「0.75」だって選び放題だ（もしかしたら、マイナスや累乗根や、果ては虚数だってあり得るかもしれない）。
回り道にはそこにしかない景色がある。手間を楽しめるようになることで、自分なりの遊びを確立できると思うのだ。
