みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

絶対的な権力は絶対的に腐敗する

昨日22日、中国の李克強(リー・クォーチャン)首相と汪洋(ワン・ヤン)全国政治協商会議主席が、共産党の最高指導部から退くことが固まった。

翌23日、中国共産党の第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)が開かれ、中国共産主義青年団共青団)のプリンス・胡春華(フー・チュンホア)副首相(59)が最高指導部を指す政治局常務委員に選ばれず、無念の「降格」となった。

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ここ1カ月余り、中国最高指導部(=チャイナセブン)に係る一連の動きをつぶさに見てきたが、やはり一党独裁の限界を感じた。不可解なのは、胡錦濤(フー・ジンタオ)前総書記(79、映像とみるとびっくりするぐらい老けた)が閉幕式の終了前に退席したこと。映像を見る限り係員に抵抗しているように見え、新華社通信のいう体調不良によるものとは思えない。

※ 実際にBBCの映像(上記URL)を見てほしいが、声がけした係員が躊躇しているようにも見え、体調不良のはずの前総書記が係員と同じ速度で歩いて退場している。年長者を重んじる儒教の国にあって、このような無礼はおよそ信じられない。

 

特に筆者が注目したのは、胡前総書記と李現首相、胡現副首相の3名が皆共青団出身であることだ。共青団とはいわゆる中国共産主義の教育を受けたエリート中のエリートであり、中国共産党の設立と同様100年近くの歴史を有する。これがどういうことかというと、日本でいうところの自民党の最大派閥が閣僚のみならず副大臣はおろか政務官さえ一つもポストを取れないのと同義である。まさに、習総書記(太子党)による共青団派の完全な抹殺である。

政治とは(絶妙な)バランスであり、一方に偏り過ぎると必ずどこかに綻びが生まれる。日本以上に面子を重んじる中国において、共青団関係者が最高指導部に一人も輩出できなかったことに対する反感は強く、新聞等では「習氏一強体制へ」とあるが実際は真逆で、太子党共青団による権力闘争の始まりとみなせるだろう。

 

今や世界第2位の軍事・経済力を擁する中国の動きは我が国にとっても他人ごとではなく、当ブログにおいても引き続き重大な関心をもってウォッチしていくつもりである。