みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

「復刻版」

近頃、清涼飲料水(三ツ矢サイダー)やアニメ(新世紀エヴァンゲリオン)、テレビゲーム(ファイナルファンタジーⅦ)、運動靴(NIKEエアマックス95)など、街中で「復刻版(リメイク)」を目にする機会が増えた。中でも、ゲームと靴は私が中学時代に流行ったのを思い出す(特に後者はマンガ・遊戯王に出てきたので強く印象に残っている)。

 

オリジナルの発売から四半世紀(三ツ矢サイダーにいたっては約1世紀)近く経っても復刻版がでるということは、余程人々からの要望が強いということに他ならない。私のように当時学生だった人が子育ても一息ついて、自分に費やす時間とお金ができたということなどが背景にあるかもしれない。

ただ、復刻版は厳密な意味でオリジナルたり得ない。というのも、四半世紀(又は1世紀)分の素材、技術、考え方・価値観などがどこかしこに混ざってしまい、純粋な意味でのコピーではないためだ。

 

それでも人々が今の時代に合った疑似オリジナルとしての復刻版を求めるのには、そこに自らの姿を投影しているからなのかもしれない。復刻版を買う=過去の足りない自分を現在の自分で以って補完する。大量消費社会と言われる時代にあって、モノの表面的な価値に止まらないものを垣間見た気がした。