みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

2020年第3四半期マーケット状況のアップデート_WFE

先月、国際取引所連盟(WFE)より2020年第3四半期のマーケット状況のアップデート版が公表されていたので、ここで概観する。

【現物株式】

  • 2020年9月末時点のグローバルにおける株式上場時価総額は、前年比9.8%増(四半期ベースで5.4%増、8月末時点からは2.6%減)の93.95兆米ドルとなった。
  • 第3四半期の株式総取引額は前年同期比66.2%増の38.48兆米ドルと、2020年の全四半期の中で最も高い伸びとなった。2020年第1四半期から第3四半期までの累計株式総取引額は105.37兆米ドルに。
  • 2020年第3四半期の新規株式上場(IPO)総数は前年同期比64.9%増の493社(2020年第1四半期から第3四半期までの累計で979社)となった。主なIPOは、下表のとおり(昨今の米中貿易摩擦の影響を受けて中国本土・香港での大型IPOが多くなっている)。

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WFE_Oct2020_①

デリバティブ金融派生商品)】

注)加盟している取引所に違いがあるため、FIAのデータと数値は一致しない。

  • 個別株オプション(SSO)の総取引枚数は前年同期比81.2%増の19億枚(2020年第1四半期から第3四半期までの累計で49億枚)。
  • 個別株先物(SSF)の総取引枚数は前年同期比133%増の9億枚(同22億枚)。
  • 株価指数オプション(SIO)の総取引枚数は前年同期比31.6%増の23億枚(同63億枚)。
  • 株価指数先物(SIF)の総取引枚数は前年同期比41.7%増の16億枚(同49億枚)。特にアジア太平洋及び欧州中東アフリカ地域で取引が減少する中、北米地域で15.6%増となったのがけん引した
  • ETFオプションの総取引枚数は前年同期比73.1%増の8億枚(同22億枚)。こちらは北米地域が減少する中、アジア太平洋地域が25.6%増とけん引した。
  • ETF先物の総取引枚数は前年同期比12.8%増の2億4,000万枚(同7億2,000万枚)。
  • 通貨オプションの総取引枚数は前年同期比8.5%増の3億枚(同9億枚)。こちらは欧州中東アフリカ地域が減少する中、北米及びアジア太平洋地域の取引増加が寄与。
  • 通貨先物の総取引枚数は3地域ともに高い伸びを示した結果、前年同期比30.6%増の9億枚(同24億枚)。
  • 金利オプションの総取引枚数は前年同期比54.3%減の1億枚(同5億枚)。特に北米及び欧州中東アフリカ地域での減少が著しく、足を引っ張る結果に
  • 金利先物の総取引枚数は前年同期比30.5%減の7億枚(同26億枚)。取引高の大きい北米地域の取引減少を他の2地域で補うことができなかった
  • 商品(コモディティ)オプションの総取引枚数は前年同期比8.2%増の7,870万枚(同2億枚)。
  • 商品(コモディティ先物の総取引枚数は前年同期比23.2%増の23億枚(同65億枚)。北米及び欧州中東アフリカ地域の減少をアジア太平洋地域が補う形に。

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WFE_ Oct2020_②

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WFE_Oct2020_③

注)上図の出典先はともにWFEウェブサイト

 

参照)WFEウェブサイト

www.world-exchanges.org