先日9日、国際決済銀行(BIS)より本年6月末時点のグローバルOTCデリバティブに係る統計データが公表されていたので、ここで概観する。
- 新型コロナウイルスの影響で2020年上半期の間に、リスク量の物差しとなるグローバルにおけるOTCデリバティブの取引総額は11.6兆米ドルから15.5兆米ドルへと33%も拡大。これは、金利関連デリバティブ(IRD)の増加(449兆米ドル→495兆米ドル(注:取引想定元本ベース))が寄与しており、中でも米ドル建てIRDが2007年-2009年の世界金融危機(GFC)以来となる86%増の3兆米ドルと大幅に増えたことが主な要因。内訳等の詳細については、【下グラフ】を参照。
- 同様に、信用エクスポージャーも同期間中に2.4兆米ドルから3.2兆米ドルへと大幅に増加し、2009年以降最大の増加となった。
- また、中央清算機関(CCP、日本でいうところのJPX傘下の日本証券クリアリング機構(JSCC))を介したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS(※))の清算比率も同期間中に56%から60%へと上昇し、2017年上半期以来最大の増加率に。
※ デリバティブの一種であり、債券投資家が発行体(企業)のデフォルト(債務不履行)リスクに対する保険として用いる。
<グラフ:グローバルOTCデリバティブに係る統計データ(2020年1H)>
出典)BISウェブサイト
参照)BISウェブサイト
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