みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

安保理改革私案

本日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がウクライナ侵略に伴う難民の数が150万人を超えたと発表した。150万人といえば、わが国では福岡市の人口(法定人口は約154万人)にほぼ匹敵する数字であり、実質的な開戦から約10日でこれだけの被害が出るのは欧州では第二次世界大戦後最悪となる。

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UNHCRをはじめとして国連児童基金UNICEF)といった国連の組織が動いているものの、紛争当事国であるロシアが常任理事国であるために拒否権が行使され、肝心な国連そのものの機能がマヒしてしまっている(3月2日の国連総会緊急特別会合で非難決議を可決したものの、法的拘束力は有していない)。安保理改革は前から叫ばれていたものの、その不備が今となって現実化した。そもそもが戦後レジームの権化であり、それが70年以上も変わっていないのがおかしい。米英仏のメンバーは不変だが、1971年に中華民国(台湾)から中華人民共和国へ、1991年のソ連解体にともなってロシアが横滑り(これについてはウクライナの国連特使も「(ロシアがソ連の席に)不当に居座っていると主張している」)しているのも、この問題をややこしくしている。

 

安保理改革私案の一つ目としては、日本の法律などにも見られるように、争いの当事者による弁護等はこれを認めないとする但書きの追加。裁判官が自分を適正に裁けるとなると、流石にそれは利益相反があるからマズいよねという趣旨。ただ、これはロシアだけでなく今の常任理事国にとっては特権を奪われるに等しい(将来的に自分達に跳ね返ってくる)ものなので、おそらくは採用されないだろう。まぁ、国連憲章を作ったときに常任理事国が変なことはしないだろうという性善説のもとにつくられたのだろうから、これは仕方がない。

では、安保理改革私案の二つ目としては、ロシアの国家承認を国連加盟国(例えば、全加盟国の3分の2以上の賛成)がこれを認めないとするもの。どういうことかというと、ロシアは国家だから旧ソ連の席に居座っている(表現の是非はさて置き)ので、そもそもその席座る資格自体をはく奪してしまうというもの。いわゆる生徒会執行部になるには学校の生徒である必要があるところを、退学処分にして学校から追い出してしまう。まぁ、ロシアには勝手にフリースクール的な何かをやることは認めるとして、国家としてではなく「地域における大きな自治的な組織」(それでも問題児である北朝鮮よりも格下だが)としてやってもらう。おいたがし過ぎた生徒にはそれ相応の措置があるよと、一つ前例を作ってしまう。

残念ながら筆者は国連憲章の仕組みが分かっていないので、これを国連総会でできるものなのかは定かでないが、上記の二つはもう一度真剣に安保理改革を進める際のたたき台にできないだろうか。