データは少し古いが、今月5日に国際取引所連盟(WFE)より2019年末時点の各国取引所別上場会社時価総額が公表されていたため、ここで概観する。
注)なお、本データは2019年末時点のものであることから年明け以降に露わになった新型コロナウイルスの影響については、未だ顕在化していないことに留意。
- 2019年末時点のグローバルにおける上場会社時価総額は前年比22.3%増の約93兆8,886億ドル(約1京円)。取引所が所在するエリア別時価総額シェアについては、①北南米が44%、②アジア・パシフィックが33%、③欧州・中東・アフリカが23%となった。内訳等の詳細については、【下表及び下グラフ】を参照。
- 中国の3大取引所(上海、深圳及び香港)の合計は13兆4,147億ドルとなり、東証(6兆1,910億ドル)の2倍超に伸張。私見だが、米中貿易摩擦の激化により今後はアリババ集団や京東集団(JDドットコム)、SMICのように米国市場からの中国企業の本土・香港重複上場(又は中国単独上場への切り替え)の動きが本格化することから、この差は年を追うごとに拡大するものと見込まれる。
- なお、サウジアラビアは前年比384.9%増の2兆4,068億ドルと大幅に増えているが、世界最大の国営石油会社サウジアラムコが上場(2019年12月11日)したことによる特殊要因。
<表・グラフ:各国取引所別上場会社時価総額(2019年末時点)>
出典)WFEウェブサイトに掲載されたデータをもとに、筆者にて加工のうえ作成。なお、使用している為替レートは2019年末時点のもの。取引所によってはメインマーケットの上場会社のみならずその他(インベストメントファンドや新興市場)を含んでいたりするものの、詳細についてはWFEデータの備考欄(Notes)を参照されたい。
参照)WFEウェブサイト