みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

株高ラリー

今月19日、米IT大手アップルの株式時価総額が米民間企業として初めて2兆ドル(約210兆円、世界初は昨年12月に自国市場タダウルへ上場した国営石油会社サウジアラムコ)の大台を超えた。翌20日には米電気自動車大手テスラモーターズの株価が一時2,000ドルを超え、株式時価総額も約3,725億ドル(約39兆4,500億円(※))と米小売り大手ウォルマートストアーズを抜いた。まさに、連日の記録づくしである。

※ 日本で言えば、トヨタ自動車(株式時価総額約23兆円)、ソニー(同約10兆円)、任天堂(同約7兆円)の合計額とほぼ等しい。本年6月10日にテスラの株式時価総額トヨタ自動車を上回ったとされてから約2か月でソニー任天堂(プレステとスイッチ)のそれを合わせた分を上乗せしたというのだから、その異常さが分かるだろう。

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www.bloomberg.co.jp

 

また、昨今の株高の影響で米電子商取引大手アマゾン・ドットコムのCEOであるジェフ・ベゾス氏の個人資産は1,978億ドル(約20兆8,600億円、18日付)と過去最高を記録。額が大きすぎて最早実感がわかないが、仮に1年ですべて使い切ろうと思ったら毎日570億円相当の買い物をする必要がある。1億円の札束の重さは10㎏、570億円だと5.7tなのでそもそも持ち歩けない。どこかの中規模自治体の年間予算に相当するとか、やっぱり実感がわかない。。。orz(ちなみに、今回の特別定額給付金の予算額は12兆8,802億9,300万円なので同氏の保有資産だけで日本国民をカバーできる)

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Rising stock prices(©いらすとや)

各国の中銀がジャブジャブと現金を供給する中で株式にお金が流入するのは分かるが、ここ最近の流れはいささか急ではないか。特にアップルとテスラは、株式分割を表明してから一段高になっており、どこかバブル期の我が国を彷彿とさせる。あの頃とはファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が違うかもしれないものの、一歩引いたところからマーケットを見ている身としては少し危うさを覚えるのである。

登山は上り坂が辛いのは言うまでもないが、最も事故が多いのは気の緩む下山時である。しっかりと自分の体調を見極めることが何よりの防衛術ということを今一度肝に銘じたい。