みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

with コロナ、without チャイナ

新型コロナウイルス向けワクチン開発(※1)への期待の高まりから米ダウ平均株価が3万ドルの大台乗せ/S&P総合500種及びナスダック総合指数は揃って過去最高値を連日で更新、11月の日経平均株価も約30年ぶりの上げ幅を記録するなど、マーケットは「ウィズ・コロナ」を新常態(ニューノーマル)と見据えて動いているように見える。

それよりも個人的に気になるのは、直近で急速に進む「ウィズアウト・チャイナ(中国はずし)」の動きだ。米国が監視カメラ大手・ハイクビジョンなどの中国本土企業を中国人民解放軍とのつながりがあるとしてエンティティリスト入りしたのを筆頭に、英FTSEラッセルや米S&Pといった大手指数算出会社は指数構成銘柄からの除外(※2)を相次いで表明した。また、オーストラリア議会は8日に州や大学が外国政府(=主として中国を念頭に置いたもの)と結ぶ協定について外務大臣に拒否権を与える法案を可決するなど、ここ1週間ほどで中国を取り巻く環境は一気に悪化した。

今年前半のパンデミック時のマスク外交もさることながら、過激で好戦的な「戦狼(せんろう)外交」とも言われる外交スタイルが表面化し、これまで巧妙に隠されていた中国の本心・野心に欧米諸国が遅ればせながら気付いたことが大きい。ただ、世界第2位の経済大国である以上、今となっては中国抜きの経済活動が成り立たないこともまた事実であり、しばらくは西側諸国が一体となって既存のルール・枠組みの中でどのように御していくのかを探ることとなるだろう。

※1 英国は米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンを世界に先駆けて承認し、8日から接種を開始。カナダも9日、同ワクチンを緊急承認。

※2 英FTSEラッセルは7日に中国本土企業8銘柄の関連指数からの除外(12/22、同社はSMIC・ハイクビジョンの2社を追加で除外すると発表)を、米S&Pは10日に同10銘柄の除外を、米ナスダックは11日に同4銘柄の除外を、米MSCIは15日に同7銘柄の除外を相次いで発表。指数構成銘柄からの除外は当該銘柄にとって強い売り圧力(→株価は下落)となるため、中国外務省の華春瑩報道官は10日の定例会見で、米国は「果てしない嘘」で墓穴を掘ることになると強く批判した。

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©いらすとや

注)本イラストはパンデミックを表しており、今回の新型コロナウイルスが中国由来のものであることを示すものではなく、また、そのような意図もありません。

 

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