岩手県を車で走っていると丁度いい位置にあるのが、民話のふるさと・遠野だ。
言わずもがな、民俗学の大家・柳田国男が著した『遠野物語』(読んでいただけると分かるが、内容は結構おどろおどろしいものが多い。間違っても「妖怪ウォッチ©」の延長線上で考えてはいけない)の舞台である。南北へは国道340号線・396号線が、東西へは釜石花巻道路(復興支援道路)/国道283号線といった基幹道路が通っており、どこに出るにも使い勝手(主に登山の)が良い。
- 太郎淵(1番目の写真)は、国道283号線から土渕(つちぶち)方面に少し入った先にある。言ってしまえば、付近の住民を困らせていたエロ河童が住んでいた淵(水を深くたたえている所)なのだが、度重なる改修工事のためか単に池のある公園になってしまっている。池の端にチョコンと座っている河童の置物がかわいく見えるが、該当の物語(第55話)はかなりえげつない。読まないことを強くお勧めする。
- 2番目の写真は、土渕の収穫が終わった稲田に白鳥が来ているところを激写したもの。嘴を泥の中に突っ込んで、一心不乱に何かを食べていた。彼らが飛んで来ると冬はもうすぐ。
- 4~6番目の写真は、常堅寺の裏手にあるおそらく遠野で一番有名なカッパ淵。小さな小川のほとりに祠が建っており、河童が神様として祀られている。ここの河童もいたずらしたらしいが、改心して神になったとか。たった数キロしか離れていないのに、前述の太郎淵との違いや如何に。(※遠野市内には他にも河童淵は存在しており、興味がある方は巡ってみるのも一興かもしれない。)
- 7・8番目の写真は、土渕山口集落という国の重要文化的景観(2008年選定)にある水車と薬師堂。水車は現役で、今でもゴトゴトゴト…と音を立てて回り続けている。薬師堂も畑の端にひっそりと佇んでいる。まるで、ここだけ時が止まっているかのような印象を受ける不思議な空間だった。
- 9番目の写真は、遠野郷(とおのごう)八幡宮。有名な遠野流鏑馬(やぶさめ)の広い馬場があるのだが、晩秋に訪れた際にはここに植わった紅葉がひときわ綺麗だった。また、入り口にはネコを祭った「猫神社」なるものもあり、ネコ好きには堪らない場所かも。
- 10~13番目の写真は、福泉(ふくせん)寺。写真を見てもらえば分かるが、紅葉がもう圧巻である。3密を避けて、さながら京都気分を独り占めできる。しかも素晴らしいのは、新四国八十八ヵ所霊場もここで体感できる。「おっ、ラッキー♪」と軽い気持ちで始めたのが最後、八十八か所全てを参り終えるまでに2時間弱費やしてしまった(←本場でやるのを比べたら何のことはないが)。
皆さんもこれを機に、岩手は遠野におこしやす!
■備考:にほんの里100選
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