みちのく金融マンのつぶやきブログ(旧「メタセコイアの宿り木で」)

みちのくを拠点に生活している金融業界歴十数年のサラリーマンです。心と身体を休めつつ、はんなりとした日々を送っています。

病気が教えてくれたこと

30代も折り返し点を過ぎた昨年、大病を2つ患った。ともに生命に関わるものであり、かねてから健康体を自負していた私は病室のベッドの上で担当医のオピニオンを聞きつつ、しばし茫然とした。

 

学部・大学院時代は日をまたいで研究室に閉じこもったり、アルバイトに明け暮れた。たとえ熱が出ようと2~3日も寝れば元通りで、これが若さかと思った。社会人になってからは会社の付合いも増え、次第に帰る時間も遅くなり、安アパートに戻ることには日が変わっているのもしばしばだった。年次が上がるにつれて会社の仕事もやりがいが増し、気力と体力をフル稼働させて働き続けた。資格をとるために土日や祝日も予備校に通って勉強をし、休むことが悪とすら思った(もちろん、有給は必要最低限しかとらない)。そして、十数年間身体を酷使しつづけたツケが来たのである。

 

自分の身体は、いたずらに声を上げることはしない。その代わり、声を上げたときにはもうほとんどが手遅れなのだ。司令部(脳)は以前のように私を働かせようとするが、現場(身体)は頑として動かない。まるで末期の旧日本軍のよう。大事なのは現場(身体)を休めつつ、司令部(脳)の考え方を変える必要があることだ。今までのような働き方はできないため、必然的に優先順位を付けざるを得ない。

 

命あっての物種。私の身体は病気という形で、身をもって教えてくれた。病気になった直後は「なんで俺が!」と絶望したものだが、今となっては人生の早い段階で教えてくれたことに感謝をしている。病気で失うものもあれば、得られるものもある。すべては自分の心の持ち方次第なのだ。