データは少し古いが、国際決済銀行(BIS)より2019年末時点におけるグローバルの店頭(Over The Counter; OTC)デリバティブ取引に関するデータが公表された。中でも、圧倒的なマーケット規模を有する金利関係について見てみる。
注)なお、本データは2019年末時点のものであることから年明け以降に露わになった新型コロナウイルスの影響については、未だ顕在化していないことに留意。
- 2019年末時点におけるグローバルOTCデリバティブ取引の総取引高は、想定元本ベースで約559兆ドル(うち、金利関係がおよそ8割を占める=約449兆ドル)。
- 特に中央清算機関(Central Counter Parties; CCPs)に紐づいたOTC金利関係デリバティブ取引はここ数年、期中(上半期)にそのポジションを増加させ、期末(下半期)には減少させるという季節的な変動がある。(すべてのタイプの短期契約にみられる傾向だが、金利スワップにおいては特に顕著。)【下グラフ、青色の点線部分】
- これは主に特定のCCPs(=英ロンドン証券取引所グループ傘下の清算機関LCH)で清算されるOTC金利関係デリバティブ取引で見られ、金利スワップのディーラーバンク又は顧客が当局への報告書や自らの財務諸表に記載する保有ポジションを圧縮するために起きる。
- なお、2019年末時点の本邦におけるCCPsを介したOTC-IRS(金利スワップ)の概況については、債務負担金額が65兆2,280億円(12月単月)、債務負担件数は6,453件(同左)となっている。(日本証券クリアリング機構調べ)
出典)BISウェブサイト
参照)①BISウェブサイト
②日本証券クリアリング機構ウェブサイト
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