「そう言えば、(岩手の)県南に行ったことないな」と思い出し、晩秋でも登ることのできそうな山を探す。すると、全国に18座(注:国土地理院の地図上の数字)あるという駒ケ岳の一つである金ヶ崎駒ケ岳の名前を見つけ、これだ!と気づいたら県南に向けて車を走らせていた。
県道37号線をひたすら南進すると、道端に「→駒ケ岳登山口」という案内標識が出てくる。道路もきちんと舗装されており、のどかな牧草地帯の緑が防風林の紅葉とマッチして心を和ませる(1番目の写真)。5キロほど山道を進めば、駒形神社の鳥居(近くに「うがい清水」なる湧き水も)がある駒ケ岳登山口に到着。駐車場で冬用の装備に着替え、登山届を出していざ参らん。
ここまででかなり登ってきているため、いつものように杉林ではなくブナ林からスタート。これがまた見事で、その葉が橙、黄色、黄緑色、緑色とまるで色の百貨店のようなブナの木立(3番目の写真)が並ぶ。空の青色とのコントラストもまた素敵で、これは是非実物を見てもらいたい。登山道も一面落ち葉に覆われており、ラッセル車のごとく掻き分けていくような形に。ただ前日に雪が降ったためか、ところどころ湿っていて足元をすくわれないよう慎重に足を進める。
奥宮まで1,500mの地点から少し進むと尾根に出るため、冬の冷たい風が顔に吹き付ける。足元にも徐々に雪が目立ち始め、「下賽の河原」(4番目の写真)あたりではほぼ冬景色に。残り1,000mを切ったところでペースを上げて、一気に頂上の奥宮を目指す。残り200m付近からは急登+雪に苦しみながらも何とか頂上・奥宮(1,130m、最後の写真)に到達。そこは、360度の壮大なパノラマが広がっていた。感動も寒さと雪で瞬間冷凍され、奥宮にお参りをして来た道を戻ることに。途中、猛烈な吹雪・霙に襲われるものの、間一髪のところで下山。やはり、山の天気というのは読みにくい。
金ヶ崎駒ケ岳はアプローチのしやすさは勿論、木々の植生も豊か・山頂からの眺めが抜群なことからまた別の季節に登ってみたいなぁーと思わせる名山でした♪
■備考:夏油(げとう)三山
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