晩秋の糸みたいな細い雨が降りしきるある日、標高1,000m未満なら行けるだろうというほんの軽い気持ちで仙人山(882m)を目指すことに。この山には、登山道の途中に幹回り11.5mもの「姥スギ」という巨木があるということで前から是非一度見ていたい!と思っていたのだ。
県道37号線をひたすら南下し国道107号線を秋田方面へ折れると、一気に民家が少なくなる。JR北上線和賀仙人駅を通過して橋のたもとにある案内標識に従い、工場脇にある仙人山登山口へと到着。
朝からの雨で少しガスっていたものの、登れなくはないなと判断し装備に着替える。登山道入口に「秀衡街道」と書かれている(1番目の写真)とおり、ここから暫くは旧道と登山道が並走する形となる。ガタゴトガタゴト…と音がするので横を見ると、JR北上線の線路(2番目の写真)がすぐ傍を通っていた。カッコイイが、近すぎて少し怖い。
と、15分も歩くと最初の分岐(4番目の写真)が登場。普通は看板に案内が書いてあるのだがそれがなく、なぜかどちらの道にも登山道を示すピンクリボン(!?)が。どうしたものかと迷った末、角度がきつそうな方が登山道っぽいと判断し左の道へ。これが失敗だった。穏やかな登山道が、あれよあれよと九十九折になり、更には泥だらけの急坂・直登が続く。
漸くして鉄塔の下に出るものの、ある地点から頼みのピンクリボンが消えてしまう。やばい、どういうことだ?と頭を抱えるものの、グー●ルマップで現在地を確認すると電線の下を歩いてきたことに気付く。「しまった、これは電線や鉄塔の保線道だ」と分かると、慌てて今来た道を泥まみれで引き返す。最初の分岐からすっかり1時間近くも浪費し、雨で体力がだいぶ持っていかれていたので今日は姥スギまで見て帰ろうと判断。今度は分岐の右側の道を踏みしめる。
30分ほど登った後、目指していた姥スギ(6番目の写真)とご対面。写真では十分には伝わらないかもしれないが、幹回りといい高さといい、もう圧倒的な存在感!!屋久島の「縄文杉」並み(あくまで個人の感想です)。「これからも達者でなー」と姥スギに挨拶をし、久那斗(くなと)神社でお参りして下山の途に。仙人山は来春以降、改めてトライしよう。
■備考:森の巨人たち100選(No.32 「和賀仙人姥スギ」)
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